Antique trucks Museum

実家にて色々物色中に段ボールを発見。なにやら「尚哉ホビー」と書いてある。「これは?」と思い、若干の期待を胸に明けてみたら、昔使っていたスキーのビンディング(知らないよな?スペードマン)、ラジコン用のエンジン等と共に、

でてきましたあ!古いトラックたちが〜ぁ。

ラバーのブッシュは経時変化でベドベド、おまけにカビ臭が・・・しかし、ごらんの皆さんにはにおいは伝わらないから、一生懸命洗って、ベドベドを取り去り、出来るところまで洗ってみて、このページにアップすることにしました。〜これは博物学的に興味深い発掘・・なわけないか?〜

まあ、見て下さい・・・。

 これがボクにとっての初代スケートボードトラックである、「KKMスケートボード用金具」です。マイナスねじがオリジナル。曲がったらしく、普通のボルトで固定してあります。ベースプレート部は前にも書いた木ネジ対応「3穴」と我が道を行く・・・。シャフトはボルトとナットになっており、右のは手前に引っ張るとスポッと抜ける。一つのナットでかしめる形になっている。ウィールの幅が異なるとナットが届かない(笑い)。ハンガー幅は45m/m、シャフト高さは49m/mありました。当時のボードのウィールが50m/m直径ぐらいだから、すぐにボードにこすれるよね(笑い)。

これが二代目、「ACS-500G」です。比べてみると分かるが、ピボットがキングピンのヘッドに向かうようにしゃくれている。これはXキャリバーにもあった特徴だが、これによって、ラバーの変形(ボードへの左右の荷重)がピボットを中心にタイトな方向変換を実現している。上のKKMの物はピボット軸とキングピン軸がかなり上に行かないと交わらないよね?つまり、これはボードへの左右荷重が回転方向に反映しにくいということなんだ。昔のクリスティなんていう技にはKKMは向かない。大回りにしかならないから。ACSはクイックなターンを約束してくれた。このトラックはハンガー幅62m/m、シャフト高さは61m/mありました。

これがBBSでも触れた「幻の(?)スピードスプリング」。このトラックのそれまでにないデザインにあこがれ、ついに手に入れたもの。あまり売れていなかったよね?理由は・・・このトラックは構造がまったく異なり、ラバーではなく、スプリングがキーワード。スプリングは当時のラバーブッシュのように可塑性(同じ力を強要されると本来の形から変形してしまう)が少ない、反発力は圧力に反比例、という特徴を持っている。スプリングはどうして注目されなかったのか?たぶん、上の二つのトラックの形状からだろう。ハンガーの上下をバネで支えるとベースプレート側のバネにいつでも負荷がかかり、トラックは方向転換よりも上下の圧力への反応をするばかりとなりそう。それでは使えないよね?ただのサスペンションだ。しかしスピードスプリングの開発者はキングピンとピボット軸を直交させるアイディアを考えついたといえるなあ。

 この方向ならボード上からの圧力に方向性が損なわれにくいものね。ピボットとシャフトが垂直に並ぶようになっているから。一方ボードの左右への荷重にはキングピン軸の左右に圧力がかかり、ピボットを中心にねじり運動となるわけ。「オレは〜、凄いことを考えたっ!!これでスケートボード界がまったく新しくなるっ!!」といったかいわないか・・。このトラックは新鮮なイメージと共に発売されたはず・・・しかしねえ、ベースを見て下さいよ。アクリル樹脂製のやけに長いベース。細いビス、ナットを用いた固定法、それまでの様々なトラックが、ベースホールを統一規格として守っていたのに対し、このスピードスプリングだけは「我が道を行く」だったのです。数年で消え去ったのでありました。さて、このトラックをボードの前後につけると、まずは圧調整の難しさ、テール側のトラックがきれいに追従してこない、フロント側に踏み込んだ時にトップが沈み込むような感覚が出る・・・など問題も多かった。ボクはスラローム用にこのトラックのメリットを最大に活かした方法、つまり、リア側はACS-500、フロントにスピードスプリングを用いたのでありました。この組み合わせはベストでしたねえ。代々木公園の平坦なスラローム環境では並み居る豪華版ボードの人たちに勝ったりしていました。このトラックはハンガー幅58m/m、シャフト高さは65m/mありました。後にガルウイングが同じコンセプトのシリコンブッシュ型のスラロームトラックを世に出し、これは非常に高い評価を得ましたね。スピードスプリングは海外のコレクターでもなかなかもっていない。  
  そしてトラッカートラック、インディなどが現れる寸前のトラックとしては名品と考えられる、ベネットのベクターというトラック。これで太東のランプを滑っていました。例の線路ではまって折れたキングピンは左のように6角ねじをストーミーさんで購入し、使っていました。軽量化への配慮が随所に。ベースプレートにブランド名を入れ、ちょっとだけ、軽量化、ベースプレートの裏側も肉をそいであります。軽いよ。ハンガー幅は84m/m、シャフト高さは55m/mありました。当時のトラックは今みたいにベースプレート本体がブッシュ&カップを支えるのではなく、間に大きなボルトをかませていた。これによって汎用のブッシュとの互換性を確保し、トラックのポジションを一定化させるという意味を持っていた様子。ま、スピードスプリングは別だけどね。
   

コーピングごりごりなんてこのハンガー幅では無理。きれいな保存状態でした(笑い)。

他にもお宝が出てくるといいんだが・・・。おしまい  

ご感想をどうぞ(BBS)&もしもいらない古いトラックなどお持ちでしたらお譲り下さい。